ハンドメイド作家専門コンサルタント ハンドメイド作家のB面さん【ハンドメイド作家インタビュー】

ハンドメイド作家のためのコンサルタントであり、自身も現役の売れているハンドメイド作家として活躍されている、ハンドメイド作家のB面さんのインタビューをお届けします。謎に包まれたハンドメイド作家であるA面サイドの部分やコンサルについての思い、執筆された『ハンドメイドの教科書』についてお話を聞いてみました!

ハンドメイド作家のB面さん
ハンドメイド作家のB面さん

作家名:ハンドメイド作家のB面
ジャンル:ハンドメイド作家のためのコンサルタント
活動歴:コンサルタントとして2年、作家として5年

SNS
Twitter https://twitter.com/handmadebbb
Instagram https://www.instagram.com/handmadebmen/

知られざるハンドメイド作家『A面』のストーリー

ハンドメイドの教科書
ハンドメイドの教科書

-まず、あまりこれまで語られてなかったB面さんのハンドメイド作家の部分、つまりA面サイドを聞きたいのですが…

お話出来る範囲でなら大丈夫です(笑)

-ありがとうございます(笑)ではまず、ハンドメイド作家になる前は何をされていたのでしょうか?

もともとは服飾のデザイナーになりたかったんです。なので、服飾系の学校に進みたかったんですけど、親に反対されて。そこで、普通の大学に進学しました。
それでも、服飾へのあこがれは捨てきれなくて、自分が好きなブランドに新卒で入社しました。

-その会社ではデザイナーをされていたのですか?

いや、デザイナーではなく、某百貨店で販売員になりました。
その店というのが、そのブランドの店舗の中でもめっちゃ売り上げがいいところだったんです。
自分は面接の時、めちゃめちゃ喋れて、いかにこのブランドが素晴らしいか、ブランドの将来の展望とか、すごい勢いで話したので期待されたんでしょうね。
いきなり新卒でそんな人気店に配属される事になりました。

-じゃ、そのお店ではバリバリ販売されていたんですね

それが全然売れなかったんですよ(笑)
というのも、ボクは来店したお客さんにバババーっと服の説明をしていたんです。
この服の生地がこうで、製作工程がこうで、デザインがこうで、って。
でも、全然売れなかった。
逆に、同期で入った子がめっちゃ売り上げ伸ばしてたんです。
その子は、全然アパレルとか興味ない、取り敢えず入社しました、っていう感じだったのに、めっちゃ売れてる。
なんでだろう?って、当時は全然わからなかったんですけど、今ならわかるんです。

-その秘密とは?

例えば、彼氏にプレゼントをしたい、というお客さんが来たとして、自分はその服のスペックのみお客さんに説明していたんです。
逆にその子は、彼がどんな趣味なのか?どういうタイプなのか?どんな記念日なのか?という、お客さんの話をひたすら聞いてたんです。
つまり、お客さんに寄り添った接客をしていたんですね。
服のスペックなんてお客さんは望んじゃいなかった、っていう事に当時の自分は気が付けず…
ものすごく好きだったブランドに入社して、売れる自信もあったのに、全然結果が出なかった。
それどころか、ブランドが特に好きでもない人に負けた。
もう、かなりヘコんでしまって、大好きだったブランドでしたけど結局辞めてしまいました。

好きな事を仕事にするジレンマ

-好きな事を仕事にしたのに、という挫折ですね

そこからいろいろありまして、サラリーマンになります。
とある大手企業の新規事業のリーダーなんですが、そこで自分の思ったようには仕事って進まないんだ、という社内政治を経験しました。

-サラリーマンあるあるですね

自分ではこれで完璧!という事業計画を立てても、社内の調整でなかなか進まない、というジレンマですね。
そんなサラリーマン生活をしながら、2016年くらいからハンドメイド作家の活動をスタートします。

-当時は兼業だったんですね

数年間は副業でしたね。
今年で5年になりますが、専業になってからの方がまだ短いです。

-専業にしようと思ったきっかけは?

今でもそうですが、WEBだけの販売でした。
それが軌道に乗ってきて、注文も数多く入ってくると、もう単純に時間がないんです。
朝起きて出社前に郵便局行って出荷して、帰ってきたらひたすら作業して…文字通り、寝る暇がなかったです。
こんな状況を繰り返していたら、まず身体がヤバいというのもありましたし、それ以上に次の一手が打てなくなる。
既存の作品を作るだけで手一杯で、新作に全く着手できない。
これを打破するには、もはや二択しかなかったんです。

-会社を辞めるか、ハンドメイド作家を辞めるか、ですね

そこで、厳しいかもしれないけどハンドメイド作家一本でやっていこう、と決断しました。
ただ、辞めると会社で言った時は笑われましたね。
辞めてどうするの?って聞かれるじゃないですか。そこで「ハンドメイド作家としてやっていきます」といったら、そんなん無理やろーって送別会の時に言われて(笑)

-確かに、予備知識がなかったら安定した収入を捨てて挑戦するのに、それって大丈夫なの?って思うかもしれませんね

でも、これってある意味、アパレルで挫折した経験へのリベンジなんですよ。
好きを仕事にしようとして味わった挫折、そしてサラリーマンで経験した自分でプロジェクトを決められない、進められない葛藤。
これを、ハンドメイド作家ならリベンジできる!と思ったんです。

-そして、実際リベンジされた、と

そうですね、ハンドメイドでちゃんと家族養えてるから、リベンジできたかな?(笑)

ハンドメイド作家のコンサルタント『B面』誕生秘話

-そんなA面サイドで順調な状況の中で、なぜハンドメイド作家のためのコンサルタントをやろうと思ったのでしょう?

先ほどお話にも出ましたけど、やはり世間のイメージとしてまだまだハンドメイド作家の地位が低いのかな、と思いまして。
普通、サラリーマンって分業じゃないですか。製造なら製造、販売なら販売といったように。

でも、ハンドメイド作家は製作から販売、経理、発送と、最初から最後までやらなきゃいけないんです。
自分で作ったものを自分でアピールして自分で販売する。
これって、かなりすごい事なんですよ。
だからこそ、ハンドメイド作家=お小遣い稼ぎ、というイメージを壊したかった。

-いまだに世間ではそのイメージですよね

正直、小遣い稼ぎだったらもっと効率がいいものがあると思います。
逆に、いいものを作ったら売れる、というのも違うんです。
なぜ売れないのか?といったら、それは知られてないからなんです。
そこに気が付いてないハンドメイド作家がとても多い。
だから、それを広めたい。
ただのお小遣い稼ぎではなくハンドメイド作家全体の売り上げが上がっていけば、職業としての地位もあがり、より業界全体の売り上げも上がっていくんじゃないかと考えました。

-なるほど、個人の売り上げが上がれば業界全体の引き上げになりますね

ハンドメイド作家って、瞬間で売れる人、たまたま売れてる人が多いんです。
でも、それが継続できずに売れなくなって、作家をやめてる。
自分がハンドメイド作家をはじめた頃に、売り上げ上位だった作家さんの中で、いまだに続けている人は一握り…いや、ほとんどいないかもしれません。
それって、何も戦略を考えてないから売り続けられないんです。
だから、それを紐解きたいし、それを人に伝えたい。

-確かに、気が付いたら活動をやめてる作家さん、多いですね

売れないから辞める、という人も確かに多いんですが、実は瞬間売れてしまったが故に苦しくなって作家を辞めてしまう、という人も実は多いんです。
なんか、売れてることを人に言えない、という風潮があるんですよ。
売れている人には売れている人なりの悩みがあるんですが、なかなかそれを言えなくて、段々と孤独になる。
結果、辞めてしまうという状況があります。

-売れているが故の悩み、というのも確実になるでしょうね

A面サイドの話をすれば、自分はそんな才能があるわけじゃないんです。
どうやったら売れるのか?を考えて、再現性のある売り方をしているんです。
天才型の作家さんには憧れますけど、それは参考にならない。
だって、自分はどうしたって天才型ではないし、そんな天才型の作家さんのやり方をマネしても再現できない。
やはりボクは凡人なので、凡人が勝つための戦略を練って戦ってきました。

売れている作家だからこそ出来たコンサルタント

-具体的にはどのような戦略だったのでしょう?

例えば、売れてる作家さんってそんなに新作をリリースする頻度って、そんなに高くないんです。
なぜなら、作品が知られていて、それ目当てに買う人がある一定数いるので。
でも、新人は作品を並べていかないと見つからない。つまり、売れないんです。
これ、町のパン屋さんを参考にして考えてみましょうか。
売れてるパン屋さんには行列ができます。
そういうパン屋さんの棚には、これが定番で必ず美味しいという、お客さんに支持される代表的な商品があって、かつ新作のパンが並んでいますよね。
これは常にお客さんに向けてアプローチしている、という事です。
このアプローチで、お客さんがリピーターになってくれる。
一方、新規オープンしたお店には、まだお客さんに支持されるような商品がない。だから、新たな商品をどんどん棚に並べて、お客さんにアプローチしていかなきゃいけない。

-お客様へのアプローチの大切さ、ですね

良い作品=技術力、というわけではないんですね。
確かに技術力は必要だし大事ではあります。
けど、アイディアをおろそかにして、技術のみを追求していくのはもったいないんです。
お客さんは何を望んでいるのか?お客さんはどんなものが欲しいのか?
なぜAmazonや楽天ではなく、ハンドメイド作品をminneやCreema経由で個人から購入するのか?
それを踏まえて、どうやってお客さんに対してアプローチしていくのか。
そこを考えることによって、改めて売れるかどうかの分かれ目になるのではないかな、と思います。

-告知力の大切さ、になってきますね

そう考えると、ハンドメイド作家というのはパン職人しかいないんです。
パンを作るのは得意だけど、売るのは誰かがやってくれる、では売れるものも売れないんです。
例えばSNSの使い方にしても、ハンドメイド作家がSNSで作家と繋がるのって、言ってしまえばパン屋がパン屋にビラ配ってるようなもんです。
それ、意味があるのか?っていう(笑)

-確かに(笑)

パン職人は確かに他の店のパンを買うかもしれないけど、お客さんとしてリピーターにはならないじゃないですか。
あと、先ほど自分の経験としてお話しましたが、お客さんにパン職人のこだわりを語ったところで、お客さんのニーズにはマッチしないんです。
どんな酵母を使ってどんな機械で練り上げて、という話よりも、このパンはどんな味でどんな風に食べたら美味しいのか、っていう話のほうが大事なんです。
そして、この町のお客さんはどんなパンが好きなのか?ウチの店にどんなパンを期待して買いに来てくれるのか?という事をリサーチして、考えて、パンを作って棚に並べないと、行列はできないんです。
こんな感じで、たまたま売れるのではなく、再現性のある売り方を勉強すれば誰でも売れるようになるんじゃないか?と思って今回の『ハンドメイドの教科書』を作りました。

『ハンドメイドの教科書』が出来た理由

ハンドメイドの教科書
ハンドメイドの教科書

-なるほど、そこで繋がるわけですね

ボクがハンドメイド作家をはじめた頃に、本を何冊か買って読んだんです。
ただ、そこで参考になるのが全然なくて。
内容的にも商売をやるなら当たり前の話ばかりだし、そもそも作家じゃない人が書いてる本が多かったんです。
こっちは料理人のレシピ集が欲しかったのに、飲食コンサルの話しかない、みたいな感じです(笑)
あ、でも、飲食関係の本の方が参考になることが多かったですね(笑)

-それはこのインタビューでもわかりました(笑)

本来であれば、今のトレンドがこうだからこういう作品を作れば売れる、みたいな 内容の本にすればいいのかもしれないけど、そうはしたくなかった。
『ハンドメイドの教科書』と名乗るからには、何年後に読んだとしても、参考になるような内容の本にしたかったんです。
それに、今有効なやり方を書いたところで、ヘタすれば明日にはそのやり方が出来なくなってるかもしれないですから。
そういう速報性な話は、オンラインサロンやそれこそSNSでいいんです。
あと、これは今回の本にしかりコンサルにしかりなんですが、B面として絶対にしない事があります。

-それはなんでしょう?

それは、作品に対するアドバイスを一切しない、という事です。
オンラインサロンのサロン生からは、作品のアドバイスをして欲しいと言われますが、一切しません。
というのも、ボク自身が作家なので、作品の品評をするのは違うなと思うし、やりたくない。
そもそも、作品の良し悪しを決めるのはお客さんです。
作家はものづくりがしたくてスタートしてると思うんです。そこに対して自分の立場からは否定も肯定もしたくない。
だから、作家アカウントとしてコンサルをせず、正体も明かさずに「売れてるハンドメイド作家のB面」としてキャラクターを作ったようなもんですね。

-B面という意味はそういう意味だったんですね!

作家は自分の作品を、もっと大事にした方がいいです。
これは売れなかったからダメな作品だ、と思わず、その前にアプローチを変えてみるのが大事です。
人から言われて作風を変えるくらいなら、作家は辞めた方がいい。
もっと、自分に自信を持って、作品を世に出して欲しいと思います。

ハンドメイド業界の行く末

-では、最後にB面さんとしての今後の目標をお聞かせください

そう考えると、今回『ハンドメイドの教科書』を出せたのは、一つの区切りかもしれません。
そもそも、こんな本は出せないって思ってました。
業界の動きや流れってすごい速度で変わっていってるし、それに自分の考えもすごい速度で変わっていってます。
だから、変わらない事だけを書こう、と思って作ったのがこの教科書でした。
そして、これからですけど…どうなんでしょう?全然予測できないですね(笑)
ただ、ハンドメイド業界が、これからもずっとあり続ける未来を考えたいです。
そのためには、なんでもしたい。
だって、作家として生活しているから、業界が無くなるのは困りますし(笑)

-これからのハンドメイド業界のためのB面さんの動き、今後も注目してきます!本日はお忙しい中、ありがとうございました!